ドクターコラム⑥
AGA治療薬~プロペシア(フィナステリド)とミノキシジルタブレット~
今回は男性型脱毛症(AGA)の内服薬プロペシア(フィナステリド)とミノキシジルタブレットについて書いてみます。
最初にAGAの発症のメカニズムについて簡単に説明します。
男性ホルモンは毛乳頭細胞に運ばれると5α-還元酵素II型の働きにより、さらに活性が高いジヒドロテストステロン(DHT)に変換されて受容体に結合します。DHTの結合した受容体は毛包角化細胞の増殖を抑制し、成長期を短縮させるため、軟毛や脱毛が生じてAGAの症状があらわれます。
男性ホルモンと5α-還元酵素II型の両方の受容体があるのは、前頭部や頭頂部の毛乳頭細胞なので、AGAでは前頭部の生え際後退や前頭部から頭頂部の薄毛が生じます。
【プロペシア(フィナステリド)について】
5α-還元酵素はI型とII型があり、II型がAGAに強く関与しています。そのため5α-還元酵素II型の阻害薬であるプロペシア(フィナステリド)がAGA治療に有効なのです。
プロペシア(フィナステリド)は現在のAGA治療の主役を担っています。前頭部、頭頂部両方の薄毛に有効ですが、どちらかと言えば頭頂部の薄毛改善がより強い印象です。
【ミノキシジルについて】
ミノキシジルは血管拡張作用が有名な薬で、もともと血圧を下げる薬として使用されていました。その後ミノキシジルを使用すると毛が濃くなることからAGAの治療薬になりました。
最初は血行が良くなることで脱毛が改善すると考えられていましたが、実際には毛乳頭細胞から成長因子分泌を促し、成長期を延長させることが分かっています。
ミノキシジルは薄毛の部位に直接つけても有効ですが、内服薬のミノキシジルタブレットは外用薬より強く作用します。前頭部の薄毛にもプロペシア(フィナステリド)と併用することで効果を期待できます。
ただ内服薬は血圧を下げるなど循環器系への作用もあり、人工透析、高齢、重症な高血圧症・低血圧症、心疾患、腎臓疾患・肝機能障害のある方は残念ながら適応外になってしまいます。
年齢やAGAの程度など患者様ごとに状況は異なりますが、通常プロペシア(フィナステリド)内服を基本とし、ミノキシジル外用や内服を症状や経過に応じて加えることが多いです。
これからAGA治療を考えている方、すでに治療中の方の参考になれば幸いですが、
うまく説明できていないのが残念です。
より深く知りたい方は、受診の際にお尋ねください。
2016.08.11 Thu
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