■ヘアサイクルとは?
髪の毛1本1本は一定周期で生えたり抜けたりを繰り返しています。この周期をヘアサイクル(毛周期)と言い、次の3つのステップで成り立っています。
- 『成長期(2~6年)』 新しい髪が成長する時期
- 『退行期(2週間)』 成長の速度が弱まる時期
- 『休止期(3~4ヵ月)』 髪の成長が止まり抜け落ちる時期
ヘアサイクルは1本ごとに異なり、抜ける時期も違うため、通常は一度に髪がまとめて抜けることはありません。 また髪の毛は、毛細血管から運ばれてくる栄養や酸素を毛球部の「毛乳頭」から取り込み、毛母細胞に働きかけることで細胞分裂を起こして成長します。(左図参照)

■ヘアサイクルが短くなると、薄毛になる
ヘアサイクルが何らかの原因で短縮されると、毛が完全に成長する前に抜け落ちてしまいます。「散髪もしていないのに、短い毛が多く抜ける」場合は要注意です。硬く太い毛が少なくなり、柔らかく細い軟毛ばかりが増えることでボリュームがなくなり、頭皮が露出する“薄毛”が始まっていると考えられるからです。成人男性の4人に1人はこのような薄毛だと言われています。
■一日の抜け毛の量
一般的に1日の抜け毛の量は100本前後だと言われており、これらは“自然な抜け毛”です。また加齢によりこれ以上増える場合も心配ありません。秋になると1日の抜け毛の量が200本前後になることもありますが、これも正常範囲と言われています。
■生活習慣の乱れが頭皮に悪影響を与えていることも!
生活習慣の乱れは頭皮の健康状態にも影響を与えます。下記のような生活習慣は、頭皮の血行を滞らせ、抜け毛・薄毛を悪化させます。またどんな治療を受けても、頭皮によくない生活習慣を改めなければ、効果や改善の程度も半減してしまいます。まずは自分の生活習慣を見直してみましょう。
□ 食事の欧米化
□ 睡眠時間の短縮
□ ストレス
□ 過度な飲酒
□ 喫煙
□ 過度な日焼け
□ 過度な洗髪
□ 洗髪をせず不潔にしている
■喫煙について
「喫煙は百害あって一利なし」とよく言われますが、髪の毛にも悪影響を与えます。タバコを吸うと身体に張り巡らされている毛細血管が収縮し、血流が悪くなります。すると当然のことながら、頭皮への血流も悪くなり、毛根への栄養が途絶え、抜け毛につながるのです。
■洗髪は頭皮を傷つけない適度に
洗髪は1日に1回程度が目安です。必要以上にシャンプーを繰り返す、頭皮を強くこする、シャンプー後のすすぎが不十分であると頭皮は傷つき、抜け毛が増えてしまいます。 逆に何日も洗髪しないのもNG。不潔な状態は頭皮環境の悪化を招きます。

■食事で予防
タンパク質は毛を構成する主成分で、髪を育てるために必須の栄養素です。しかし肉類など、脂肪分の多い食事に偏ってしまうと皮脂が過剰に分泌され、育毛を阻害することにつながります。肉類だけではなく野菜・海草類などからビタミンやミネラルも摂り、バランスのよい食生活を心がけましょう。 ビタミンの中でも、とくにビタミンB2は皮膚や粘膜を保護して皮膚、髪、爪の細胞の再生に働きかけます。その他、血行をよくするビタミンE、細胞や組織の新生・新陳代謝に欠かせない亜鉛も必要な成分です。ワカメなどの海藻に含まれるヨードやカルシウム、鉄分なども髪の毛のツヤを保つためには欠かせません。 以下の表は代表的な栄養素を含んだ食べ物です。これらを積極的に、バランスよく摂りましょう。毎日の食事でどうしても摂れない場合は、サプリメントで補うことも検討しましょう。当クリニックでも、栄養補助剤として「育毛・内服サプリ」をご用意しています。

■睡眠をしっかりとる
毛髪は夜間に修復され、成長します。特に夜10時~深夜2時の間は最も成長ホルモンが分泌される時間帯と言われています。夜勤があるなど、職種によってはこの時間帯の睡眠は難しいかもしれませんが、なるべく毎日決まった時間に寝起きし、睡眠時間をきちんと確保するとよいでしょう。パソコンやスマートフォンのブルーライトは目によくないだけでなく、睡眠ホルモンの分泌を抑制して寝つきを悪くします。良質な睡眠をとるためにも、就寝前のパソコンやスマートフォンの使用は控えましょう。

■適度な運動やマッサージ
ストレス解消にもなり、心身の健康につながるため、適度な運動はぜひ習慣にしてほしいもの。外で運動する場合は、帽子をかぶるなどして紫外線による刺激や乾燥などから頭皮を守りましょう。
頭皮マッサージは頭皮の血行促進につながるのでオススメです。マッサージをするときは爪を立てず、指の腹全体を使って優しくマッサージしましょう。市販のスカルプケア製品を使うのもよいでしょう。

■正しい洗髪で頭皮を清潔にする
頭皮を清潔に保つためのシャンプーで気をつけたいのは洗い方、頻度、乾かし方です。 頭皮には皮脂腺があり、汗と皮脂が混ざり合って皮脂膜という膜をつくります。この皮脂膜に汚れが溜まり、フケや痒み、抜け毛の原因になるのです。シャンプーはこの皮脂膜をきれいにするためのもので、回数は1日1回が基本です。洗いすぎると頭皮の脂を落としすぎて、乾燥につながります。
乾燥肌や敏感肌の方は、シャンプーの回数を2日に1回にするなど、頭皮や髪の状態を見て調整しましょう。
AGAには前兆があります!見逃せないのは以下の点です。項目が6個以上当てはまる方は、AGA予備軍かもしれません。気になる場合は、一人で悩まず、クリニックに相談しましょう。